立憲民主党の不人気は目を覆うばかり
参院選を前に立憲民主党が支持率の低迷にあえいでいる。通常国会でも存在は目立たず、立憲はもはや存在感は薄れる一方。そのため野党第一党の座をとられまいと維新批判を強めるありさまだ。政策提言を強めるはずだったが、相変わらず時限的とはいえ消費税の5%減税を打ち出すなど、現実的な政策とは無縁な人気取り政策に終始している。
最近の立憲民主党の支持率をみると、目を覆うばかりだ。読売新聞が5月13~15日に実施した世論調査では、立憲の支持率は4%。4月の調査より1ポイント低下した。これに対し自民党は前回調査より1ポイントアップの42%だ。立憲は自民党に次ぐ政党とはなったが、有権者の支持はほとんど得られていない。
また、夏の参院選の比例代表で投票する政党候補者、政党を聞いたところ、立憲は8%で日本維新の会を下回った。
時事通信が13~16日に実施した世論調査ではさらに苦境が明確になる。政党支持率の上位は自民党が29.5%、公明党3.9%、日本維新の会3.0%となり、立憲は4位に低迷した。支持率は2.7%しかなく、2020年の旧国民民主党との合流以降最低の支持率だ。
こうした立憲民主党の低迷は、政策提言する政党になりきれないのも大きな要因だ。経済社会の現実を見ずに、政策を作るにしても政権批判を優先させたり、人気取りに走ったりしているだけで、まともな議論すらできない。
例えば、立憲は4月末に参院選を意識し、「物価高と戦う」「教育の無償化」「着実な安全保障」の3つを中心とした「生活安全保障3本柱」なるものを発表している。
消費税の時限的5%減税や小中学校の給食費の無償化、高校・大学授業料の無償化など「教育の無償化」を掲げている。
幼保無償化の財源となる消費税減税を行う一方、教育の無償化は「教育国債」という赤字国債で手当するというのだ。つまり、すべては将来世代のつけ回し。現役世代の負担を軽減し、次代の子どもや孫世代に払ってもらおうということだ。これは要するに、現役世代のための人気取りでしかない。
また「物価高と戦う」では「円安放置のアベノミクスから脱却」と掲げている。現在の物価高は資源高が招いたもので、それは当初、世界的な新型コロナの落ち着きによるエネルギー需要の高まりによるものだ。それに加え、ロシアのウクライナ侵略が発生したため、さらに資源危機が進んだため相対的に円安が進んだ。
それに加え、米国などで新型コロナの抑制解除による景気の過熱があり、インフレが進んだため日米の金利差が拡大し、円安に拍車を掛けたわけだ。
確かに現在、日本はアベノミクスとして低金利政策が続いており、それが日米の金利差を増大させていることは事実だ。しかし、米国ではインフレ懸念が進み、日本ではまだデフレからの確実な脱却が必要な状況だ。こうした中で低金利政策を変更すれば、日本経済に大きな影響を与えかねないのだ。
いずれにしても、立憲民主党は自民党政権を批判したいために「アベノミクスからの脱却」を掲げているのだろうが、そのツケを国民に回しかねない政策は、国民への背信行為とさえ言えるだろう。
(terracePRESS編集部)