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成功した菅首相のG7サミット

菅首相が初めて参加した先進7カ国首脳会議が終わった。菅首相はサミット期間を通じ、英国、ドイツ、フランス、米国、オーストラリア、カナダの6カ国首脳と精力的に会談や協議を行い、「自由で開かれたインド太平洋」の実現や、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け理解を求め、支持を得るなど大きな成果を挙げた。

 

個別の首脳会談では、ボリス・ジョンソン英国首相との会談で、菅首相が、今年が東日本大震災から10年の節目であることに言及した上で、英国による日本産食品への輸入規制撤廃を要請したのに対し、ジョンソン首相からは、「真剣に検討したい」などとの反応があったという。また、菅首相はドイツのメルケル首相に対して、EUによる日本産食品への輸入規制撤廃に向け、ドイツの協力を求めた。

 

さて、今回のサミットについての日本のメディア報道をみると、G7が対中強硬姿勢を示したことや、東京オリンピック・パラリンピックへの支持を表明したことばかりが伝えられている。

 

しかし、実際の「G7カービスベイ首脳コミュニケ」では、「新型コロナ」「経済回復」「貿易ルール」「デジタル、サイバー空間、宇宙空間などの先端領域」「気候・環境」「ジェンダー平等」など多様なテーマが並び、その上で、各国や各地域の問題について言及している。

 

その中で、菅首相が個別の首脳会談でも主張した「インド太平洋」については「我々は、包摂的で法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を維持することの重要性を改めて表明する。我々は、台湾海峡の平和及び安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す。我々は、東シナ海及び南シナ海の状況を引き続き深刻に懸念しており、現状を変更し、緊張を高めるいかなる一方的な試みにも強く反対する」と述べている。

 

日本のメディアの記事を見ると「インド太平洋」が主要なテーマになったかのような錯覚を受けるが、それはコミュニケ全体の極めて多様な課題の中のほんの一部に過ぎない。

しかし、それでも日本にとっての意味合いは大きい。

 

東シナ海では、尖閣諸島の周辺海域に中国公船が領海侵入などを繰り返しているし、南シナ海では、中国が人工島と軍事拠点の建設を進め、国際海洋秩序を変更すれば、将来的に日本のシーレーンの安全確保が阻害される懸念もある。

 

その中でコミュニケに盛り込まれたことは、菅首相が各国首脳に「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を訴えた外交上の成功と言えるだろう。

 

また、コミュニケは、末尾で「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催することに対する我々の支持を改めて表明する」と述べている。これも菅首相の外交的な成果だ。

 

(terracePRESS編集部)

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