防災・減災予算を認めない野党の愚かさ
静岡県熱海市伊豆山付近で発生した土砂崩れで多くの人が巻き添えになった。毎年この時期から夏にかけて豪雨や台風により災害が発生し、多数の人命が失われている。こうした悲劇を少しでも少なくするには、防災・減災対策を進めるしかないのだが、立憲民主党や共産党などの野党は、そうした事業の緊急性は認めないというお粗末さだ。
昨年の7月4日、犠牲者65人、災害関連死2人、行方不明者2人を出した熊本豪雨災害が発生した。熱海市の土砂崩れはその約1年後となったわけだが、いつ、どこで発生するか予見が難しいのが災害だ。
だから、防災や減災については速やかに進めることが不可欠で、それは小学生でも分かる論理だ。
政府は2018年12月14日に「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を策定し、特に緊急に実施すべき施策を集中的に実施したが、さらに現在は、2021年度から2025年度までの5年間に追加的に必要となる事業規模などを定め重点的に実施する「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に取り組んでいる。
今後も大規模災害が発生することが予測される中で、少しでも人命や財産を守ることを目指しているわけだ。
その3か年対策と5か年対策をつなぐ重要な財政的な裏付けとなるのが2020年度予算の第3次補正予算だったと言えるだろう。
これは、2020年12月8日に決定した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」に基づくものだったが、補正予算としては15兆4271億円を確保した。
補正予算の歳出をみると、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」が4兆3581億円、「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」に11兆6766億円、そして「防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保」に3兆1414億円がそれぞれ計上された。
ところが、この補正予算について立憲民主党や共産党など野党はコロナ対策が不十分として国土強靱化などの予算を認めず、実際、立憲民主党、共産党、国民民主党が出した組み替え案では、ワクチン整備などを含むコロナ対策予算はそのまま維持しながら、「ポストコロナの経済構造転換」や災害復旧を除く「国土強靱化推進」などの予算を「緊急性が認められない」などとして「コロナ集中対策」予算に振り向けるよう求めた。
つまり、野党はすでに発生した災害からの復旧の緊急性は認めたものの、これから発生する災害への対策については「緊急性が認められない」と判断したのだ。
もちろんコロナ対策も重要だ。しかし、人命だけでなく、家も家財も押し流されたりする災害への対策も重要なのだ。政権批判のための批判を繰り返すだけの立憲民主党や共産党など野党は、それすら理解できないのだろう。
(terracePRESS編集部)