国土強靭化予算に反対した立憲、共産の視野狭窄
福島、宮城県で13日深夜、最大震度6強を観測した地震が発生した。幸いにも死者はいなかったが、約10年前の2011年3月11日に発生した東日本大震災を想起させると同時に、平素の防災対策の重要性を改めて浮き彫りにした。立憲民主党など野党は、政府の第3次補正予算に防災対策が計上されていることを批判していたが、こうした政党は「政権担当能力」などと口にすらすべきではない。
今回の地震は東日本大震災の余震といわれている。その東日本大震災は死者約19,700人、行方不明者約2,600人に加え、福島原発の事故でまだ帰郷できない人々も多数いるという未曽有の被害を出した。
発生当時は民主党政権だったが、その後政権復帰した自民党が強力に推進しているのが、防災、減災対策である国土強靭化だ。
東日本大震災は、これまでの「防護」という発想によるインフラ整備中心の防災対策だけでは限界があることが露呈した。このため、災害があっても国土や経済、暮らしが致命的な被害を負わないような〝強さ〟と、速やかに回復するという〝しなやかさ〟を持つことを目指したものが国土強靭化だ。
具体的には河川や海岸の堤防などのハード施設、ハザードマップや情報伝達などのソフト対策などについてリスクを分析して脆弱性を特定、優先順位をつけてその対策を行うなどPDCAサイクルを回すことで、限られた財源の中で効率的な防災、減災対策を行うものだ。
第3次補正予算では防災・減災、国土強靭化の推進費として2兆936億円を計上し、「南海トラフ巨大地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震等を見据えた住宅・建築物の耐震化、津波対策」や「災害時情報伝達手段の多重化・高度化」などの事業を推進するとされている。
もちろん、この補正予算は、新型コロナの感染拡大で落ち込んだ日本経済を下支えするための財政支出という側面もあり、新型コロナの感染拡大防止や医療体制の整備以外にも計上する意味は極めて高い。
しかし、立憲民主党や共産党などの野党は、国会に提出された第3次補正予算案に対し、防災・減災、国土強靭化の経費が盛り込まれていることを批判し、同案を採決する参院本会議では立憲の熊谷議員が、国土強靭化分などが持ち込まれていることを問題視するなど、最後まで批判していた。
また、共産党も立憲に歩調を合わせて国土強靭化予算が計上されていることを終始批判した。
13日の地震は幸いにも被害が拡大しなかったが、「災害はいつ起こるか分からない」ことを改めて思い起こさせた。首都圏直下型地震や南海トラフ地震などの巨大地震だけでなく、豪雨災害や台風災害もいつ発生するか分からないのだ。
国民の生命財産を守るために対策を加速させることが政治の務めなのだが、それを「不要不急」と言わんばかりの立憲民主党や共産党などの野党は、視野狭窄というほかはない。
(terracePRESS編集部)